今年6月に改正された育児・介護休業法について、前回は5つのうち2つの改正ポイントを取り上げて詳しく見ていきました。今回は、残りの3つのポイントについて確認します。
【③育児休業の分割取得について】
現在の育児休業の取得は原則として1回限りとなっていますが、改正後は、1歳までの育児休業について、分割して2回まで取得することができるようになります。
また、1歳以降に育児休業を延長する場合、その開始日は1歳・1歳半の時点に限定されていましたが、改正後は、各期間の途中でも取得できるようになります。
【④有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和について】
現状では、有期雇用労働者が育児休業を取得するためには、以下の2つの要件を満たす必要がありました。
(1)引き続き雇用された期間が1年以上であること
(2)子どもが1歳6ヶ月に達するまでの間に契約が満了することが明らかでないこと
今回の改正では(1)の要件が撤廃されました。
これによって、有期雇用労働者も無期雇用労働者と同様の取り扱いを受けることができるようになります。
【⑤育児休業取得状況の公表の義務付けについて】
今回の改正によって、従業員数が1,000名を超える企業には、育児休業の取得状況を公表することが義務付けられました。
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今年の春まで就職活動をしていた私にとっては、⑤の改正が非常に身近なものとして感じられました。気になった企業があっても、その企業が育児休業の取得実績等を公表していない場合、「休業が取得しにくい環境なのかな…」「休業を取得するとキャリアに影響が出るのかな…」などといった小さな不安が芽生えてしまっていたからです。
この育休取得状況の公表義務化は、求職者の企業に対する解像度を上げるという意味で、とても良い変化だと思います。
企業側にとっても、環境整備などに力を入れる良いきっかけとなるのではないでしょうか。
学生スタッフ(京都大学 4回生)